ティラたんが虹の橋へいってしまっても、世の中は動いていて、目の前にいる3チワワとの変わりない日常があります。
でも、悲しみと寂しさは増していくばかりで、あいかわらずティラたんの写真を見ては、信じられない気持ちでいます。
そして、このブログの過去記事も見ていくうちに、記事にしていない写真が多くあることを思い、それらを見返しながら想い出をもう一度なぞってみたくなりました。
ネガティブな内容にもなり申し訳なくもありますが、ご容赦の上しばらくお付き合いいただけますでしょうか。
ティラたんがわたしたちの家族となったのは、2007年7月23日です。
まさか、チロクマ(わたし)に犬と暮らす日がくるとは思ってもみませんでした。生まれて1度もペットを飼った経験はなく、将来的にもそんな希望は一切ありませんでした。ずっと仕事はしつづけると思っていたし、そもそも生き物とのお別れは辛い、それは理解していました。
ところが現在の家に引っ越してすぐ、アチャモが犬を飼いたいと言いはじめました。チロクマは反対し、その話題になるたび一年以上反対し続けました。
するとある日、アチャモがペットショップへいっしょに行こうと誘ってきました。
当時なぜか飼っていた「クワガタのエサを買うため」という理由でしたが、チロクマはペットショップ自体苦手で、行ったことはありませんでした。
しかし、そのときは「エサを買うだけなら」としぶしぶついていきました。
きれいな店舗内は清潔で明るく、たくさんの犬猫が展示販売エリアにいました。近くにいたスタッフの方が「抱っこしてみませんか」と。
少し興味がわいたので、白いチワワの仔犬を抱っこさせてもらいました。
でも、その仔犬はずっとチロクマの手のひらの上でふるえていました。可哀想なことをしているという気持ちになり、すぐに返して家へ帰りたくなりました。すると、そばのケージを覗いていたアチャモが、
「あ、このコかわいいやん」
そう言ったのがティラたんでした。
あとはスタッフの方がふたたび「抱っこしてみませんか」と。
チロクマは帰りたくて仕方なかったのに、また広げた手のひらの上へそっとその黒い仔犬を乗せてもらいました。
その途端、ティラたんはチロクマのブラウスに両前足の爪をしっかりひっかけて後足で立ち、小さなシッポをふりまくって笑顔で見上げていました。
一瞬で心奪われ、とてつもなくかわいいいと思いました。気分が舞い上がりすぐアチャモへ、
「この仔犬飼って、連れて帰る!」
と言ったのを覚えています。ほんの一瞬前までは、一刻も早く家に帰りたいと思っていたのに。
ところが翌日、迎えに行って連れて帰ってくる途中、
「どうしよう、命に責任をもつことになった」
と不安を覚えました。いわゆる「衝動買い」をし、とんでもない選択をしたのではないかと思いました。事実、その通りでした。
でも、家へ連れ帰ったティラたんは元気で食欲もあり、何をしてもかわいらしく、犬というのはこんなだったのかと夢中になりました。
ともかく、チロクマにとって人生初の犬と暮らす毎日がはじまったわけですが、今思えば無知のかたまりでした。
愛犬を家族というより、宝物アイテムのようにとらえていたと思います。ひとりっこで大切に育てる、休みの日は散歩やおでかけ旅行をして楽しもうと。
また当初は、まだ新しい家に臭いがついたり汚れるのは嫌だと思っていて、基本ケージで過ごさせようという、とんでもなくあるまじき愚かな考えを持っていました。
ところがあっという間に、部屋中フリーでベッドでもいっしょに寝るようになりました。
ティラたんのかわいさが圧倒的にどんな理由より上回り、たとえ「そそう」をしても大したことではないと思えたからです。
ティラたんはよく動き回り元気いっぱいで、小さなボールがコロコロと転がるように、はずむように走ってきてくれました。
わたしたちは仕事から帰ってくると、毎日遊んでいっしょにテーブルで食事をし、寄り添って寝ては癒されていました。
そして、その後すぐのお盆休みには、ティラたんといっしょに旅行へでかけました。
つづきます。